切ない– tag –
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最終話 この身を捧げる、あなたのために(後編)
できものは、もうしばらくすると治癒したかのように消える。しかし、病魔は体内... -
第5話 病魔の足音
喉の奥までマルタンを咥えながら窓に目をくれると、真っ暗な景色にふわりふわり... -
第4話 太陽のかげり
絶望の一日は、朝鳥のさわやかな鳴き声から始まる。 冬の朝日がようやく顔を出... -
第3話 悪魔のささやき
通りに面した窓から月明かりがさしこんでいるだけで、店の中は真っ暗だ。暖炉に... -
第2話 アネモネ
その日の夕刻、僕はいつものように浴室でディフィシル様の体を丁寧に磨いた。体... -
第1話 神に背いて
「結婚することになった」 そうおっしゃるディフィシル様の声には、いつもの威厳... -
最終話 有明
「そなた、宇宰相の娘か?」 男の身にまとっている深衣が太陽の光に金色の輝きを... -
第三話 皇宮
濤允の顔が迫ってくる。再び唇がつきそうになって、蓮珠は濤允の手の中でそれを... -
第二話 皇帝
翌朝、目を覚ますと、すでに楊濤允の姿はなかった。かけられた布団をめくって、... -
第一話 輝蓮
楊しきものが膣壁を擦って孔を押し広げた。初めての感覚が一気に押し寄せて、蓮... -
楚々の花、蠱惑に落ちて棘となる
【お読みいただく前に】 9,000文字程度、一話完結の短編小説です。 異世界ファンタ... -
最終話 歓春
遠くから、冬鳥の囀かしら。まぶた越しに陽光の明るさを感じるから、夜が明けて... -
第八話 愛情
「……っふ、んっ」 上手く息継ぎが出来なくて思わず開いた口に、生温かい舌が滑り... -
第七話 明星
「……んっ」 唇が離れた隙に息を大きく吸い込む。けれど、肺が膨らむ前に上唇を啄... -
第六話 夢現
「奥様、旦那様からお届け物です」 ビアヌの浮足立った声に、タナシアは顔を上げ... -
第五話 辺境
乗り込んだ船は、生家の楼閣のような門ほどの高さがあった。その商船は、大きさ... -
第四話 運河
カデュラスとタナン公国の境を、東西にユネダ山脈が走る。夜明けに赤く染まる高... -
第三話 思慕
吊り灯籠の明かりが照らす薄暗い廊下が、奥に向かってまっすぐ伸びている。自分... -
第二話 沈香
タナシアは瞠目した。 王宮を出てから、そばを離れるのは日に数回。着替える時... -
第一話 秋雨
さわさわと秋の雨が庭に降る。 縁側に座って軒下から灰色の空を仰ぐと、乾いた...