和風– tag –
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第33話 菊の花と檻(2)
乾いた秋風が庭をそよいで、視界の端っこで赤紫色の影がちらちらと揺れ動く。沙... -
第32話 菊の花と檻(1)
❖◇❖「騒々しいな」 閉じた扇の柄を牛車の前簾に引っ掛けて外を覗いた八条宮が、... -
第31話 宮様の至宝(3)
しかし、それは一呼吸ほどの短い間の出来事で、八条宮の期待とは裏腹に柔らかな... -
第30話 宮様の至宝(2)
❖◇❖ 八条宮は、重たい腰をあげて牛車をおりた。弘徽殿女御の声が、まだ耳から離... -
第29話 宮様の至宝(1)
❖◇❖「見事な白驟雨ねぇ。いつまで降るつもりなのかしら」 沙那は小梅に袿を預け... -
第28話 ひのみかど(3)
物悲しそうに眉尻をさげる女御に、八条宮は一段と顔をしかめた。 胸の内がしん... -
第27話 ひのみかど(2)
❖◇❖「八条宮様はまだお見えにならないのですね」 典侍や中殿の女官たちと蔀戸を... -
第26話 ひのみかど(1)
❖◇❖ その日は、夜明けから冷たい秋雨が降っていた。 観月の夜以降、沙那は主寝... -
第25話 はしきよし(3)
沙那が、席を立って女房たちと主寝殿の中に入る。沙那が去って八条宮一人になっ... -
第24話 はしきよし(2)
沙那は面食らったような顔をして、それからすぐ蛍火のように柔らかな笑みをこぼ... -
第23話 はしきよし(1)
❖◇❖ 茜さす刻。沙那は、白木の廊下に伸びる下襲の裾と影を踏まないように、少し... -
第22話 日宮と月宮(2)
朱染めの長袴と真っ白なお召し物の裾が床板の上を滑り、するするさらりと清か流... -
第21話 日宮と月宮(1)
❖◇❖ 朝鳥の甲高い鳴き声に、沙那はうっすらと目を開けた。ぼんやりとした視界に... -
第20話 目隠し初夜(2)
❖◇❖「……ふ、あっ」 とても乳房とは呼べない小ぶりな房。 八条宮はなんとか理性... -
第19話 目隠し初夜(1)
❖◇❖ 遠くから聞こえる夜鳥の鳴き声が、低く地を這うように庭を駆け抜ける。八条... -
第18話 想い人と妻(3)
❖◇❖ 泣きはらした沙那のまぶたが本来の色味と二重をどうにか取り戻したのは、主... -
第17話 想い人と妻(2)
沙那は、さっきよりも強い衝撃になんとか耐えた。いろいろな感情が混ざり合って... -
第16話 想い人と妻(1)
❖◇❖ 主寝殿の女房が、八条宮に命じられて燭台に火を灯す。沙那は、主寝殿の... -
第15話 名ばかり妻(2)
沙那以外とのRシーンが入ります。ムーンライトノベルズ版にはありませんので、苦手... -
第14話 名ばかり妻(1)
❖◇❖ まどろみながら、ごろんと体を右へ反転させる。そして、二、三度寝ぼけ眼を...